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変身忍者嵐を端緒とした描線の闘いについて。石ノ森章太郎と手塚治虫の場合。

 「変身忍者嵐」は、週刊少年マガジン(1972年10号~41号連載。全12話)連載時に一度だけ本誌で読んだことがあるんすよ。
 当時、ボクは中三(14歳)だったかな。いまから44年前のことなのだ。

 当事者ではないあなたにはずいぶん昔のことのように思われるかも知れないけど、本人であるボクにとっては、〝ついこの間のこと〟なのである。

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 さて、その後、ずいぶん経って大人になってから、大都社版の単行本上・下2冊を買って通読しようとしたのだが、全体を通した作品のトーンが余りにも暗くてちっとも頭に入って来ないので、結局、その本は全部を読まないで売ってしまったのだった。

 しかし、絵はスゴいのである。画力のピークを迎えた素晴らしい描線なのだ。
 絵的には手塚治虫の系譜にある石ノ森が、その描線の中に〝劇画〟を血肉化させた絶頂期の線を見ることが出来るのである。

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 残念ながら、その後、このピークはすぐに凋落し、石ノ森は、自らが自らの描線の摸倣化を強いられるという自己矛盾に陥り、堕落てしまうのだが。 
 劇画の描線を体内化して描線の頂点に達し、そして堕落した彼は、やがて力尽き、満60歳の生涯を終えた。
 結局、彼は、自らの描線の限界に殺されたのではあるまいか。

 片や、劇画の描線をついに身体化出来ずにいた手塚治虫は、晩年、「アドルフに告ぐ」において、劇画とは別の地平で完成期の描線にたどりつくものの、これまた満60歳の生涯を終えたのだった。
 余談だが、手塚の逝去に当たって、手塚が最後にたどり着いた描線の完成期について、やなせたかしが言及した同様のメッセージがあるのだが。

 嗚呼、ふたりの〝天才〟が見せた描線のマジック・サーカス。
 
 さあ、一方の天才である石ノ森のピークの「変身忍者嵐」の描線を味わってほしいのさ、あなたに。

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by misaochan3x6 | 2016-06-19 17:41 | まんが道(みち)


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