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三陸・陸前高田と岩手湯本温泉ツアー参加記(2)─①

【2011年4月29日(金)】陸前高田市到着編

三陸・陸前高田と岩手湯本温泉ツアー参加記(2)─①_a0141884_1402156.jpg う~ん、何だか乗らないんだよな~。
 ブロガー生活6年で、こんなに書き出しにくいログも初めてなんだよな~。

 もっと気楽に書けばいいのかもしれないけど、心の底で、事が事だけにオチャラケるわけにもいかず、たいそう意義深い内容を書かなければ意味がないと思っているのかもな、良識にまみれた<深層のボク>が。
  
 いや、何かを直視して来なければ、何かを感じて来なければ、半ば気負っていたことだけは確かなのさ。





 しかし、この日、陸前高田入りしたボクらの目に飛び込んで来たバスの車窓からの光景は、「千年に1度の未曾有の大災害」だとか「眼に余る惨状」といったお約束のフレーズとは無縁の、ほとんど巨大な不法投棄場と化したような、実に実体感のない、味気ない、空疎で空虚な風景が目の前に広がっているばかりだったのだ。

 普段は携帯電話のカメラしか使わないこのボクが、この日のためにしっかり記録しようと持参したデジタル・カメラで捕らえた風景は、空虚な現実ををさらに薄っぺらくしたような平板な出来映えの写真で、ほとんど何も写していないのと同然の絵でしかなかったんだ。

 どれだけしょーもないかは、ま、こんな具合だったのさ。
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 自分の思い込みで、<そこにあるべき悲劇の現場>を見に来たつもりが、そこには、悲劇の主人公たる人間の姿はどこにもなく、ただただ目の前には、空疎で巨大な不法投棄場が目の前に広がるばかりだったってわけなのさ。
 つまり、思いっ切り肩透かしを食ったってことなんだわさ。
 メディアによる事前情報で頭の中をいっぱいにして行った結果が、このありさまということなのだろうさ。

 ホントは、こんな写真が撮れればおいしい話が書けたのかもしれないけど、<現実は報道よりも奇なり>なのだった。
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 以後、ボクは、波にさらわれた市内の様子を写真に撮る気は一切しなくなったんだ。
 繰り返すけど、自分の写真は、現実を少しも活写していないので。ジャーナリストじゃあるまいにといわれると、ちょっと困るんだけれども。
 むしろ、いかにもそれらしい情報としては、既存のソースの方が有効かもしれないな。



 行った者だけにしかわからに情報を伝えるのが、その者の使命なら、ここでは、次のことだけ記しておこう。

 結局、大津波に飲み込まれた町というのは、あっという間に海の底に引きずり込まれたと同時に、巨大なミキサーでシェイクされたような異常なエネルギーに翻弄されて、コンクリートの建物以外は全て木っ端にまでバラバラに粉砕され、引く波でほとんどの物は海に押し流されながら、残った物は海水で濾(こ)し上げられ、挙句の果てに土地全体は、巨大な不法投棄場と化すのである。
 そこでは、異臭もしない。しかも、海の近くでありながら、潮の匂いさえもだ。
 一切が空虚であり、空疎であり、虚無である。
 人間の感情は、この風景に前では、完全に無力なのである。
 火星の土地かと思われた無味感想な三原山(伊豆大島)山頂の風景ですら、そのランドスケープの広がりには、はじめて見た時には、それなりの感興を感じたものではあったのだが。
 
 それに、リアス式海岸の土地というのは、後ろに迫る山と、目の前に広がるうみとの間のわずかな平地があるばかりで、人間の生活と経済は、この平地で営まれているというのが実態なのだった。




 ボクの知り合いのある人にいわせれば、「塩で清められた状態」でもあるわけだ。
 そういえばそうかもしれないなと思わせるほど、残された残骸はどれも汚れを払われて妙にきれいな印象だったのさ。
 南無~。
by misaochan3x6 | 2011-05-09 06:59 | トラベローグ


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