【2011年3月6日(日)】
●悲しみよこんにちは/フランソワーズ・サガン
1976.10.10/75版
新潮文庫
この本は、「アニマル洋子」で昨年購入したはずだ。
購入動機は、まったくもって〝魔が差した〟としかいいようがない。
サガンにも、そして〝夏休みの課題図書〟みたいなこの本にも、そもそも何の興味もなかったんんだから。
で、ある朝、これもまた〝魔が差した〟としかいいようがないタイミングで、通勤途中の読み本用にこの本のことを思い出し、本棚から引っ張り出して読んでみたというわけなのである。
主人公セシル(18歳)のフラッシュが連続するような心理というか心的反応の記録。
いかにも仏蘭西的な文体だ。
ストーリーは単なる舞台装置にしか過ぎない。
サガンというのは、著者の好きなプルーストの小説の中から取ったものだという。
この作品は、サガン18歳の処女作にして、1954年度(昭和29年度)の「批評大賞」受賞作の国際的な大ベストセラーだ。
さて、この本を読んでボクの感想は
、「やっぱり歌は、たとえ下手でも、自分のギターで歌わなければダメなんだ。人のギターに頼っていたら、歌はいつまでの自分のものにはならない」ってことなのだった。何だか確信を得たような気持ち。
理由は自分でもよくわからないのだけれどもさ。
ま、インスピレーションってのは、大概はそんなものなんだ。
作中での主人公セシルの<ある決心>に、ボクの中の何かが大きく化学反応(ケミカル)を起こしたのかも知れないな。
あの、フラッシュライトニングな文体を媒介にしてね。