【2014年8月28日(木)】
鉄腕アトム「電光人間」は、小学校の低学年の時に読んだ気がする。
今からもう50年近く前の話だ。
母親にねだって買ってもらった「光文社カッパ・コミックス」のアトムのシリーズの中の1冊ではなかっただろうか。そう思って調べてみたら、
やっぱりそうだった。
今でも、この1コマの記憶だけが鮮明なのだ。
むしろ、この本に同時掲載されていた「イワンのばか」の記憶の方がハッキリしているな。とても悲しいお話でありました。
さて、数年前、地元の行きつけの古本屋の店頭で〝朝日ソノラマ版〟のアトムの「電光人間」が入った巻を買ってあったので、いつかは再読しようと思っていたところ、この日、急に「読み神様」が降りて来て、けさの通勤電車の中で読了とあいなったというわけなのであ~る。
アニメのアトム(日本初の国産)が、お子様向けというか、バブルガム的な色彩が強くて、ついつい紙のマンガも軽いものだと思ってしまいがちだが、50も半ばを過ぎて再読してみると、子ども向きのマンガだと一蹴出来ない暗さがあり、この作家の本質のひとつを浮き彫りにしていたのである。
それにしても、1950年代の手塚が流線型の描線で描いた1コマの中に込められた情報量の多さはハンパないな。
いまさらながら驚嘆するばかりなのである。