Are you dreaming of 梶芽衣子?Ⅴ

 フリー動画サイトGyao「女囚さそり」シリーズの最終回072.gif「女囚さそり 701号怨み節 」がオンライン放映中だ。
 行きがかり上、コメントせざるを得ないのだが、何だか気が乗らないのねんのねん。

   072.gif女囚さそり劇場版リスト/主演:梶芽衣子
 
    1.女囚701号/さそり(1972年8月25日公開) 監督:伊藤俊也
    2.女囚さそり 第41雑居房(1972年12月30日公開) 監督:伊藤俊也 
    3.女囚さそり けもの部屋(1973年7月29日公開) 監督:伊藤俊也 
  056.gif4.女囚さそり 701号怨み節(1973年12月29日公開) 監督:長谷部安春


 監督は、前3作の伊藤俊也に替わって長谷部安春。
 この最終回、梶芽衣子のキャラがぜんぜん立っておりませんわっ!!
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 そもそも、ドラマ自体が至極平板な作りで立体感に欠け、ドシャメシャでアナーキーなハナモゲラ的なジャズ感といおうか赤塚不二夫的といおうか、伊藤俊也が描いたようなデタラメ感がまるでない。
 それに、梶を取り巻くキャラも図式的で、まったくもって魅力が感じられないのだ。

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 〝怨み節〟の作詞までした伊藤俊也の中に醸成されたさそりの怨みのパトスは、前3作品の中でよくも悪しくも炸裂した。特に3作目のキャラ立ちは見事だった。
 んがしかし、最終作のこのフィルムでは、長谷部安春にとってさそりの怨みのパトスは、商品(=映画)用の材料でしかないように思われる。
 つまり、自らの情動の中にさそりの〝怨み節〟を取り込む必要などなく、単なるフィルムメーカーに徹したというわけなのか。そもそも、「女囚さそり 701号怨み節」っていう分かり切ったひねりも何もないタイトル自体に、すでにやる気というものをまったく感じないのである。

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 ショッカーでいえば総統に当たるキャラ立ちの刑務所所長だとか、狂ったように銃を撃ちまくりリンチに継ぐリンチでさそりをなぶり続ける手下の刑務官。さらに、これまたリンチに明け暮れる女囚どもや女の裸裸裸。

 このシリーズに必要なそれらのマストアイテムを否定するのか、長谷部安春。

 前監督色を否定するのが表現者としてのプライドなのかもしれないが、客にはそんなものはいらんのよ。
 我々の欲しいものは、公務員(刑事や刑務官)によるこれでもかという暴虐と抵抗しないさそりの怨みの顔つき。
 そして女の裸だけなのだ。

 今回もさそりのセリフは極端に少なく、フィルムの前半はセリフがない。
 逃走中にねんごろになった元反戦闘士役の田村正和が、警部役の細川俊之のリンチに負けたことによってさそりの居所を吐き、さそりは投獄される。そして、フィルムの最後に彼女は破獄して自分を売った田村に復讐を果たすべく彼をを刺殺する。

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 その時、さそりはこういうのだ。
 「あんたを刺したんじゃない。あんたに惚れた松島ナミを刺したんだ。」
 何という陳腐なセリフ!!
 もう何をかいわんやである。紋切り型のドラマは、この紋切り型のセリフとともに幕を閉じるのだ。

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by misaochan3x6 | 2014-03-15 13:35 | キャラ立ち | Comments(0)


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